所有する株にペイロールとエコミックの2社がある。
これらはいずれも企業の給与計算業務を代行する業務で成長する企業である。
給与計算というのは企業活動の本質ではないので、企業としては無いに越したことはない。そこで、その業務を外注して本業に集中したいというのが一般的な考えである。
そんな需要を取り込んで成長しているのがこの2社となる。
ペイロール
時価総額135億
売上88億
営業利益14億
営業利益率16.5%
自己資本比率52.8%
過去3年売り上げ成長率約7%
従業員578名
平均年齢34.1歳
平均年収469万円
給与計算業務87%、年末調整補助13%
特徴
ターゲットは従業員が1,000人以上のエンタープライズ市場、日本のマーケットではアウトソーシングしている企業は12%でそのうちの55%のシェアを持ち、業界ではトップとなる。
BPOセンターは札幌、長崎、江別、高松の4か所。
リスク
有利子負債50億で多く利益剰余金を上回る。金利が上がると大きなリスクに。
成長戦略
1. 引き続きエンタープライズ市場の拡大
2. SMB企業へのサービス提供
1,000人以下の従業員の企業へのサービス拡大
3. Payment HR ダッシュボード
100万人ペイメント情報を匿名かして 統計データを提供する。
サービスイン2022年7月、1年無償、その後参照した分に従量課金
エコミック
時価総額16億
売上17.5億
営業利益1.8億
営業利益率10.2%
自己資本比率68.4%
過去3年売り上げ成長率約20%
従業員66名
平均年齢36.8歳
平均年収396万円
給与計算業務53%、年末調整補助44%
特徴
ターゲットは中小企業がほとんどだが大手もある。
BPOセンターは札幌、中国青島の2か所
リスク
中小向け給与計算代行業務は競合他社が多いレッドオーシャンである。現在は年率20%の売り上げ成長率を確保しているが、どこで飽和するかわからない。
成長戦略
引き続き給与計算業務、年末調整補助業務の拡大
まとめ
2社は業種が同じだが、狙う市場が違うし、規模も大きく違う。
これらのサービスを実際使ったわけではないので、はっきりしたことは言えないが、
イメージとしてはペイロールはフルサービスでエコミックは部分的な補助サービスが得意だと思う。従って大手企業にはペイロールが好まれるし、中小企業にはフレキシブルなエコミックのサービスが好まれるだろう。
やはり、大企業の方が導入の難易度が高いので、あとから中小にサービスを拡大するペイロールの方が有利である。
しかし、エコミックも大企業の導入経験がないわけでは無いし、現在も引き合いはあるようである。
得意な年末調整補助業務をどれだけ伸ばせるかだ。
長期的にはペイロールが安定して成長してくれそうな感じだが、短期的には規模が小さいだけエコミックの成長余地が大きい。